ネイキッドの意味

 相も変わらず東京パフォーマンスドールばかりを見に行っており、その都度何かしら思うことがあったとしても、それをきちんと整理してまとめる前に次のイベントが……。合間には普通に仕事もしてるしね。
 でもさすがに一度まとめておきたいなって、2015年11月3日に渋谷のDUO MUSIC EXCHANGEで行われた、「東京パフォーマンスドール〜ダンスサミット ネイキッドSP 2015秋〜」を見たら強く思ったので、気力を振り絞って書いておくことにする。あくまで自分用のメモなので異論があってもしょうがないし、議論するつもりもなしってことで。


■これまでのあらすじ

 2013年8月、演劇&ライブの2部構成の舞台「PLAY×LIVE『1×0』」で、ほかに似たものがあまりない形でデビューを飾った新生・東京パフォーマンスドール。2014年3月には「@JAM NEXT vol.5」で、初めてほかのアイドルグループと同じステージに立ち、5月には1×0と並行する形で、「東京号泣ライブ@シブゲキ!! 〜センパイ!よろしくお願いします!」と銘打った対バンシリーズを開始。6月に「BRAND NEW STORY」でメジャーデビューを果たした。
 そして8月、初のワンマンライブツアー「東京パフォーマンスドール LIVE TOUR 2014夏〜DANCE SUMMIT”1×0″ver1.0〜」をTSUTAYA O-EASTを含む東名阪で開催。11月には2ndシングル「DREAM TRIGGER」をひっさげてのZEPPツアー、「東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2014 秋〜DANCE SUMMIT“1×0”ver2.0〜」を、翌2015年5月には「東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2015春 〜DANCE SUMMIT“1×0”ver3.0〜」「東京パフォーマンスドール ZEPP TOUR 2015春 〜DANCE SUMMIT“Best of 1×0 FINAL”〜」を行ってきた。
 また、これらの合間には各種アイドルイベントへの出演や、シングルのリリースイベント、メディアへの露出を重ね、6月には3rdシングル「DREAMIN’」でオリコン週間シングルランキング(6月8日〜6月14日集計)で初登場3位を獲得するなどの実績を積み上げてきたものの、どうにも爆発的な人気には結びつかない日々が続いている。

■ネイキッドの意味

 そんな中、7〜8月にはTPDの本拠地であるCBGKシブゲキ!!において、「東京パフォーマンスドール@CBGK!! 〜ダンスサミット ネイキッド2015夏」が行われた。
 ライブツアーを含む1×0シリーズでは、演出にプロジェクションマッピングが組み込まれているなど、スタイリッシュなイメージを押し出してきたように思えるTPD。しかしこのネイキッドシリーズは、それらの演出を極力減らし、より身体性に特化したライブらしいライブを目指していたようだ。

 これまでのTPDには、私服を公開しない、メンバーにTwitterやブログなどで直接発信をさせないなど、近年のアイドルグループとしては珍しく、生身の姿が想像しづらい側面があった。メンバーそれぞれが持つ清潔感、品の良さも相まって、一定の神秘性を演出することに成功していたように思うし、個人的にはそういうところも好きである。
 一方、歌もダンスもメンバーそれぞれが着実にスキルアップしてきているし、初見の人にもビジュアルイメージを含めたクオリティの高さは評価されてきた。しかしそれでも、何か物足りなさを覚えるという声があったのも事実。
 おそらく、スタート地点が1×0というちょっと特殊な形態の公演であったことも起因するのだろう。歌、ダンス、さらには芝居に至るまで、さまざまなスキルを同時に習得することを課せられ、それに対する答えをきっちり出してきたメンバー達ではあったが、コール&レスポンスなどの分かりやすい手法でオーディエンスを熱狂の渦に叩き込むようなスキルだけは、稽古場では身に着けられなかったということなのかもしれない。
 もっとも、個人的には演出込みのスキルでオーディエンスを熱狂ではなく圧倒させるような、大人の鑑賞に堪えうるアイドルとしての可能性をTPDに感じていたので、これまでの路線に大きな不満を抱くこともなかったんだが、このままでは続かないのだろうなぁ……という気はしていた。

 果たしてネイキッドは、夏にふさわしく熱いステージではあったように思う。しかし一方で、ノンストップでフィジカル頼み、かつオーディエンスを口頭で煽りまくるステージングに対しては、批判的な意見も少なくはなかった。
 同じようなスタイルのアイドルグループがほかにも多々存在するだけに、そういうものを見たいのであれば、そのスタイルをやり続けてきて練度の高いグループを見たほうがいいというのが、そうした批判の根っこにあったような気がする。TPDへの思い入れが強い人ほど、TPDにはTPDにしかできないものを見せてほしいと願っているからこそ、こうした声につながったのだろう。
 個人的にはそれに同意しつつも、これはこれでアリだと感じていたが、同時に、これだけになってしまったらちょっとイヤかな? というぐらいに思っていた。

■点と点がこれまでよりも分かりやすい線になり始めた

 9月に行われた「東京パフォーマンスドール〜ダンスサミットネイキッド2015夏 SP〜」は、まさしく7〜8月に行われた公演の集大成であったように思う。ただし、あくまでその時点での集大成であり、その先につながるものが何なのか、少し見えにくかったのも事実。
 そういったこともあって、11月に「東京パフォーマンスドール〜ダンスサミット ネイキッドSP 2015秋〜」を行うことが発表されても、あまり胸躍るものはなかった。

 ところがどうだろう。実際に東京パフォーマンスドール〜ダンスサミット ネイキッドSP 2015秋〜を見てみると、きっちり明るい未来が見えた気がした。
 それこそ、オープニングの「TIME」というオリジナルの新曲を見た瞬間のことだ。初めて新生TPDを見たときに感じた新鮮な輝きと、これまでに磨かれてきた各種スキル、そしてネイキッドシリーズを経て掴んだであろう熱が、一人一人の体の内側からあふれ出ているような気すらした。
 そしてこのライブを最後まで見て、これは1×0にしろネイキッドにしろ、それ以外のイベントにしろ、これまで通過してきたどれか一つでも欠けていたら、きっとここまでのものにはなっていなかったのだろうと強く思った。

 もちろん、この日以前の何であっても、そこまでの経験が生きていたことに疑いを挟む余地はない。ただ、それが見えづらかったのだと思う。見る側の期待が高すぎる分、そこに至っていないものを見落としていただけでもあるだろう。
 そういったことを抜きにしても、東京パフォーマンスドール〜ダンスサミット ネイキッドSP 2015秋〜は、明らかに誰が見ても分かる形で、進化している様を見せてくれた。やはりネイキッドは、これまでにTPDが習得し損ねてきたものを拾い集める作業であったのだろう。
 この日のステージを見たうえで、ここしばらくの動きを振り返ってみると、頭の中で点と点がつながって線になっていくような気がした。その線がどこに向かっているのかは、きっと2016年2月の「東京パフォーマンスドール ダンスサミットネイキッドSP2016 〜R・G・B〜@Zepp DiverCITY TOKYO」で明らかになるのだろう。それが少しでも明るい未来につながっているといいな、と心の底から思っている。

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